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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻6号

1997年06月発行

文献概要

「精神医学」への手紙

Letter—治療抵抗性うつ病のbromocriptine追加療法にエビデンスはあるのか/Answer—レターにお答えして—難治性うつ病の治療アルゴリズムの目的と意義

著者: 古川壽亮1 井上猛2 小山司2

所属機関: 1名古屋市立大学医学部精神医学教室 2北海道大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.674 - P.675

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 井上ら4)は,治療抵抗性うつ病について非常に適切な判定基準と治療指針のアルゴリズムを提供してくださいました。これによると,2種類以上の作用機序の異なる三環系または四環系抗うつ剤の十分量かつ十分期間の投与に反応しなかった症例を治療抵抗性と定義し,このような症例には,まずlithiumの追加,それでも改善がみられなければbromocriptineの追加,それでも改善がみられなければ甲状腺ホルモン剤の追加を推奨しています。
 井上らが述べているように治療抵抗性のうつ病にlithiumを追加・併用することが有効であることは多くの無作為化対照試験(randomized controlledtrial;RCT)で確認されており,また多くのRCTを統合したメタアナリシス2)でも示されています。治療抵抗性のうつ病の一部では甲状腺ホルモンを追加することも有効であることを示すRCTがあり,複数のRCTのメタアナリシス1)が発表されています。しかるに,治療抵抗性のうつ病におけるbromocriptine追加の有効性については,逸話的・散発的な報告がなされているにすぎないようで,筆者は1970年以降のMEDLINE検索によっても治療抵抗性うつ病へのbromocriptine追加を検討したRCTは発見しえませんでした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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