文献詳細
研究と報告
文献概要
【抄録】訪問看護を行っている通院分裂病患者30例宅を実際に訪問して,その間取りを記録し,暮らしぶりを調査した。患者が最も多く時間を過ごす一室の特徴を整理すると5型に分類された。寝床機能しか持たない寝床タイプ(Ⅰ)から寛ぎ安らぎ機能が加わる方向に,ビジネスホテルタイプ(Ⅱ),ペット共同生活タイプ(Ⅲ),準快適タイプ(Ⅳ),快適タイプ(Ⅴ)が続く。この部屋のタイプの変化はそのまま患者の内的世界の豊かさや自閉能力の発達に一致すると考えられた。また,それは社会適応度との間に相関はみられなかったが,最も自我機能が発展していると考えられるタイプⅤだけを見ると全例能動型であり,他の群より社会適応が良く生活安定度が悪いという特徴がみられた。
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