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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻7号

1997年07月発行

文献概要

研究と報告

老年期痴呆における人物誤認症状について

著者: 高林功12 吉田伸一2 山田敦朗3 竹中吉見2 原田浩美2 中西雅夫2 濱中淑彦2

所属機関: 1八事病院 2名古屋市立大学医学部精神医学教室 3岐阜県立多治見病院精神科

ページ範囲:P.721 - P.728

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 【抄録】人物誤認症状を呈し,臨床的にAlzheimer型老年期痴呆と診断した2症例を報告した。形式的には,両症例ともに,人物誤認が一過性の妄想反応として出現しており,また,この症状の出現に,ある種の状況因が関与していると考えられ,両症例に存在する神経心理学的障害のみによっては,この症状を説明することは困難であった。また1例にみられた熟知相貌の認知障害と人物誤認との関係についても検討を加えた。さらに,現在流通している妄想性同定錯誤症状群なる概念が,内容的にも,あまりに雑多な諸症状(群)を含んでいることを指摘し,現在の諸研究で用いられている枠組み自体が,再検討を要するものであるという,問題提起を行った。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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