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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻7号

1997年07月発行

文献概要

短報

慢性C型肝炎インターフェロン治療により長期にわたって出現した突発性脳波異常—生体アミン類との関連から

著者: 松崎吉紀1 増村年章1 長岡重之1 宮崎招久2 四宮滋子1 佐藤信紘2 井上令一1

所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室 2順天堂大学医学部消化器内科

ページ範囲:P.749 - P.752

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■はじめに
 ウイルス増殖抑制物質として発見されたインターフェロン(以下IFNと略す)は,近年その使用頻度の急速な増加に伴い,抑うつ,不安,幻覚,精神錯乱,意識障害,けいれんなどの中枢神経系の副作用が報告されるようになった。我々はC型肝炎に対するIFN療法の中枢神経系への副作用を予知または早期発見する目的で,前方視的・経時的に脳波,生体アミン,SDS(Self-rating Depression Scale)の測定を行っている。一般的にIFNによって起こる脳波異常はIFN中止後,速やかに改善すると報告されている。しかし,今回の調査において鋭波を伴う突発性高振幅徐波群発がIFN投与中より出現し,IFN終了16週後も持続した慢性C型肝炎の1例を経験したので,治療開始前よりの経時的脳波と血漿中生体アミン類の変化の面から若干の考察を加え報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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