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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻8号

1997年08月発行

文献概要

研究と報告

がん患者のせん妄に関する臨床的検討—せん妄の転帰を中心として

著者: 松岡豊1 岡本泰昌1 末田耕一1 吉村靖司1 高橋輝道1 大森信忠1 山脇成人2

所属機関: 1国立呉病院中国地方がんセンター精神科 2広島大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.831 - P.835

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 【抄録】がん患者のせん妄42例について,その臨床的特徴および長期予後について調査検討した。せん妄の出現は70歳代が最多で,回復率は50%,せん妄出現6か月後の死亡率は66.7%であった。せん妄回復群は非回復群に比して,入院からせん妄出現までの日数,精神科依頼までの日数,持続期間が短く,morphineの使用率が少なかった。生命予後については回復群が比較的。良好であったのに対し,非回復群は死の転帰をとるまでせん妄が持続した。以上よりがん患者のせん妄は回復するもの,しないもので明らかに臨床特徴が異なり,別個な対応が必要と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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