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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻9号

1997年09月発行

展望

躁うつ病(双極性障害)における脳画像

著者: 加藤忠史1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院精神神経科

ページ範囲:P.912 - P.922

文献概要

■はじめに
 Kraepelin以来,内因性精神病の中に精神分裂病と躁うつ病の両極の存在を認めるのが一般的である。いかなる視点からこれらを二分するかについては諸説あるが,周期性に全体的な機能の変調を来す躁うつ病と,慢性的に特定の機能系が障害されている精神分裂病,という大枠でとらえられよう。また,生物学的基盤としては,前者では分子・細胞レベルの異常,後者では神経回路網・機能系レベルの異常が想定される。
 これまで,CT(computed tomography),PET(positron emission tomography),SPECT(single photon emission computed tomography),MRI(magnetic resonance imaging),MRS(magnetic resonance spectroscopy)など,様々な方法を用いて,多くの躁うつ病(双極性障害)における脳画像研究が行われてきた。しかしながら,双極性障害における脳画像所見の中には,精神分裂病と共通のものも多く,その意義については議論のあるところである。
 本稿の目的は,双極性障害における脳画像所見について,精神分裂病における所見と比較しながらまとめることを通して,脳画像という生物学的視点から,双極性障害の生物学的基盤をとらえ直すことである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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