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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻9号

1997年09月発行

研究と報告

Anorexia Nervosa患者の体重増加後における体脂肪分布の変化

著者: 池谷俊哉1 切池信夫1 中筋唯夫1 飛谷渉1 永田利彦1 山上榮1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.931 - P.935

文献概要

 【抄録】anorexia nervosa患者において,Dual Photon Absorptiometry法を用いて,体重増加後におけるbody compositionの変化を測定した。anorexia nervosa患者の総骨塩量,除体脂肪量,体脂肪量は低体重時に減少し,正常体重と正常月経の回復により,正常対照群のレベルまで回復した。骨盤,体幹,上下肢の総軟部組織量は低体重時に,対照群に比し有意に減少していた。そして正常体重に回復後,骨盤,体幹の総軟部組織量は正常対照群レベルまで回復したが,上下肢の総軟部組織量は依然正常域まで回復しなかった。総軟部組織量の増加する大部分が体脂肪であることを考えると,極度のやせを経験したanorexia nervosa患者は,体重が正常範囲内になり体脂肪量が正常域まで回復しても,体脂肪分布が中心性肥満型に変化する可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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