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文献詳細

雑誌文献

精神医学39巻9号

1997年09月発行

文献概要

研究と報告

一酸化炭素中毒間歇型の1症例—画像診断による経時的検討

著者: 中里道子1 岡田真一1 児玉和宏1 山内直人1 小松尚也1 浜屋達郎2 佐藤甫夫1

所属機関: 1千葉大学医学部神経精神医学教室 2国立下総療養所精神科

ページ範囲:P.953 - P.959

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 【抄録】一酸化炭素中毒間歇型の48歳女性の頭部MRI,SPECT所見を経過観察した。被毒直後より40回の高圧酸素療法(HBO)を試みたが間歇型を発症し,さらに86回HBOを継続し,症状は著明に改善した。曝露31日目の頭部MRI T1強調像で両側淡蒼球に高信号域を認めた。曝露103日目のMRI T2強調像で,右側淡蒼球に高信号域,脳室周囲白質に高信号域を認めた。曝露294日目には両側淡蒼球に高信号域を認め,曝露761日目には大脳白質病変は消失したが,淡蒼球病変は残存した。SPECT上,間歇型症状出現時に全般性血流低下が認められ,症状回復に伴い正常化した。SPECTはMRIよりも症状改善の指標として有用であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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