精神医学39巻9号

1997年09月発行

私のカルテから

少量のlevomepromazineにより無症候性の好中球減少症を呈した1例

著者： 坂本英史¹² 笠井清登¹³ 福田正人¹ 斉藤正彦¹

所属機関： ¹東京大学医学部精神医学教室 ²現，NTT関東逓信病院 ³現，国立精神・神経センター武蔵病院精神科

ページ範囲：P.1008 - P.1009

文献概要

　筆者らは入院治療中に無症候性に高度の好中球減少症を呈したうつ病の67歳女性例を経験した。原因薬物は10〜15mg/日という少量のlevomepromazineと考えられたが，本剤による好中球減少症の報告は少なく，また本例のような少量投与による発症例はこれまでに知られていないため，文献的考察も併せて報告する。