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文献詳細

雑誌文献

精神医学4巻11号

1962年11月発行

特集 睡眠

Symposium・1

賦活系の機能分化

著者: 時実利彦1

所属機関: 1東京大学医学部脳研究所

ページ範囲:P.793 - P.798

文献概要

 脳生理学に賦活系activating systemという概念が導入されたのは,1949年にMoruzzi & Magounによつて発表された,意識の生理学的機序に関する論文に始まる。彼らは,大脳皮質にはたらきかけて,その活動水準を高める,すなわち賦活する生理学的機序として,脳幹の網様体から大脳皮質へ投射する線維系を設定し,これを網様体賦活系reticular activating systemと名づけたのである。現在,私たちが使つている賦活系という概念は,彼らの定義にしたがつて,大脳皮質の活動水準を高める神経機序の実体をさしている。
 賦活系には,大脳皮質を賦活する上行性のもののほかに,末梢にはたらきかけて末梢効果器の活動を高める下行性のものもあるが,ここでは,大脳皮質を賦活の対象にする上行性賦活系の機能分化についてのべる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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