icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学4巻11号

1962年11月発行

文献概要

特集 睡眠 Symposium・3

睡眠と脳波

著者: 朝比奈一男1

所属機関: 1

ページ範囲:P.841 - P.845

文献購入ページに移動
 睡眠にともなうもっともいちじるしい現象の1つとして脳波の変化が知られている。原則的にいえば,覚醒中にみられる大脳皮質の低振幅速波,海馬でのゆるい律動波が,睡眠中には明らかに変化して,前者が高振幅徐波,spindle発現,後者が不規則な速波になるのである。したがつて皮質での徐波やspindleの発現と,海馬での不規則波は一応睡眠脳波と認められているし,事実この脳波は外観上の睡眠状態とよく対応するのである。
 ところが外観上深い睡眠状態にあつて,外刺激に対しても高い閾値を示すにかかわらず,皮質でも海馬でも明瞭な覚醒脳波が続くことがある。この現象は古くから知られていてBlakeら1)はnull stageとよびGibbs2)らはこれが早朝に出やすい点からearly morning sleepと名づけている。その後多くの人々がこれを確認し,ことに最近一般に注意を向けられてきている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?