icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学4巻11号

1962年11月発行

研究と報告

てんかん患者に対する燐酸クロロキン剤(Resochin)の使用経験

著者: 直居卓1 桑村智久1

所属機関: 1順天堂大学医学部精神神経科教室

ページ範囲:P.863 - P.869

文献概要

Ⅰ.緒言
 てんかん患者に対する薬物療法は近時長足の進歩をとげ,バルビトゥール酸誘導体,Hydantoin誘導体,Oxazolidine-2-4 dione誘導体,アシル尿素などを初めとして,すぐれた抗けいれん剤が数多く出現している。しかし,てんかんのなかには,これらの抗けいれん剤の併用をもつてしても,なお十分に発作を抑制しえないものがあり,これらに対する優秀な補助的薬剤の出現が望まれていた。
 1953年,Mendez,Arellanoら1)は抗マラリア剤アテブリンが小発作に対して卓効を示したと報告しているが,最近にいたり同じく抗マラリア剤であるが,構造の異なる燐酸クロロキン(Resochin)を小発作に用いて劇的な効果をえたというVazquez2)ら(1959)の報告がある。わが国でも,和田ら3)4)(1961)が本剤を難治性の側頭葉発作などに使用しているが,きわめて良好な効果をえたとのべている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら