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研究と報告
いわゆるてんかん精神病の薬剤治療—新抗てんかん剤Ospolotのこころみ
著者: 桜田高12 高世光弘12 本間俊行12 荒井紀久雄12 秋浜雄司12
所属機関: 1弘前大学医学部神経精神科 2弘前てんかん研究所
ページ範囲:P.949 - P.953
文献購入ページに移動近年,とくにここ1〜2年の間に新しい構造式をもつ数種の抗てんかん剤の出現をみ,てんかんの薬物治療はさらに一段と発展しかつ進歩を遂げようとしているかにみえる。しかしながら,概して少数ではあるが,てんかん者にその治療過程においてときおり遭遇する精神面の障害,とくにいわゆるてんかん精神病といつた状態に対する治療にはやはり多くの問題が残されている5)。
もちろん最近,上述のごとき症例にLevomepromazineやChlordiazepoxideがこころみられてある程度の効果がえられていることが報告されており,またわれわれも実際に経験しているところである。かかる状況下においてわれわれはこのたび,新抗てんかん剤Ospolot(Bayer)を使用する機会をえたのであるが,種々の被検者のうち,いちじるしいいわゆるてんかん性精神障害のために治療に困難をきわめてきた3例の効果には注目すべきものがあつた。これはある意味ではてんかん精神病の薬剤治療の可能性を示唆するものと思われるので,つぎにその症例を中心にして治療経過を報告する。
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