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研究と報告
分裂病者における表情知覚に関する実験的研究
著者: 鈴本浩二1
所属機関: 1日本大学神経科
ページ範囲:P.375 - P.384
文献購入ページに移動 1.音分裂病者におけるempathic abilityを,顔の表情の受け取りかたから実験的・系統的に調べた。20枚の表情写真の実物大映写を実験刺激とし,各100名の被検者からなる正常群・分裂病群について,各表情における感情状態をのべせしめた。
2.亀分裂病群の一部には表情の受け取りかたにおける誤りの少ないものがみられたが,分裂病群は総体として,正常群よりも誤りが多かつた。一般に表出の抑制された表情が誤られやすく,誤つて受け取られたものが一様に特定の情動のものに歪められるというよりは,むしろ広く各種のものに分散する傾向が示された。その結果,分裂病群は受け取りかたによつて幾つかの型に分けられた。
3.正常群における実験成績は,被検者の性,年令,教育程度に関係なく,矢田部ギルフォード性格検査による被検者の性格とも関係をもたなかつた。
4.分裂病群における実験成績とその臨床像との間にある種の関連が見出された。とくに患者の予後との間に興味ある関連が見出された。
5.分裂病群における実験成績とZテストにあらわされた人格構造との間に,一定の関連が見出された。
2.亀分裂病群の一部には表情の受け取りかたにおける誤りの少ないものがみられたが,分裂病群は総体として,正常群よりも誤りが多かつた。一般に表出の抑制された表情が誤られやすく,誤つて受け取られたものが一様に特定の情動のものに歪められるというよりは,むしろ広く各種のものに分散する傾向が示された。その結果,分裂病群は受け取りかたによつて幾つかの型に分けられた。
3.正常群における実験成績は,被検者の性,年令,教育程度に関係なく,矢田部ギルフォード性格検査による被検者の性格とも関係をもたなかつた。
4.分裂病群における実験成績とその臨床像との間にある種の関連が見出された。とくに患者の予後との間に興味ある関連が見出された。
5.分裂病群における実験成績とZテストにあらわされた人格構造との間に,一定の関連が見出された。
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