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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

新抗幻覚剤Rubigenの臨床治験

著者: 田中善立1 秋谷浩1 清水隆磨1 芦谷博幸1

所属機関: 1

ページ範囲:P.405 - P.408

Ⅰ.まえがき
 HallucinogeneまたはPsychosomimeticaによつて誘起された人工精神障害の阻害剤がいわゆる抗幻覚剤(Anti-hallucinogene)である。AzacyclonolすなわちFrenquelは最初,LSD25による人工精神障害の阻害剤として特徴的効果があることがFabing1)により報告された。以来,抗幻覚剤というとFrenquelのことをさすようになつた。最近,さらに特徴的抗幻覚剤として,Phenothiazine系誘導体に属するFluphenazine(Flumezin)があげられよう。このように,特殊症状に対する治療薬の出現が,現在の精神疾患治療学にとつて重要なことではないだろうか。今回,われわれは上述の抗幻覚剤のいずれとも異つた化学構造を有する一新抗幻覚剤Rubigen(Rol-9569 NITOMAN Tetrabenazine)を,弘前大学神経精神科において使用する機会をえた。その臨床治療経験はなお浅いとはいえ,精神科薬物療法2)に一つの進歩をもたらすごとき結果をえたので,つぎにその使用経験のあらましと臨床成績とを報告する。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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