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研究と報告
てんかんに対するGEMONILの使用成績
著者: 佐藤久1 光川ウメ子1 丹道男1
所属機関: 1札幌医科大学
ページ範囲:P.411 - P.414
文献購入ページに移動てんかんに対する治療は古くはBrom剤がもつぱら使用されていたが1912年にPhenobarbitalが導入されたのを初めとし,最近10年余の間にはProminal,Aleviaiatin,Minoaleviatin,Mysolin,Phenuron,などがつぎつぎと出現しこの難病の治療を容易にしてきた。しかしこれらの薬品をいかに駆使すれども,患者の約1/3は発作から完全に解放されることなく病苦の責めを負つているのが現状である。それゆえにさらに強力で安全度の高い新薬の出現が望まれている現況である。
Gemonil(Metharbital)は,1950年Perlstein1)BARBITAL系の抗てんかん剤の化学構造式によつて初めて臨床報告がなされたBarbital系の抗てんかん剤である。PerlsteinによるとGemonilは真正てんかんよりむしろ器質性病変にもとづくてんかんに対して効果があるという。われわれは,大日本製薬より本剤の提供を受け,2ヵ月間にわたり試用できた。短期間,かつ少数例ではあるが,その成績を報告する。
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