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思考障害の認知科学的研究—現況と課題
著者: 畑哲信1 中込和幸1 岩波明2 丹羽真一3
所属機関: 1東京大学医学部精神医学教室 2昭和大学医学部精神医学教室 3福島県立医科大学神経精神医学教室
ページ範囲:P.8 - P.21
文献購入ページに移動思考障害は精神分裂病の基本障害の1つとされ,精神科領域において重要な研究テーマである。思考障害研究の意義としては,このように,精神症状の1つの核として精神疾患の病態理解の手がかりとなるという点,および思考障害の研究を通して,思考という高次精神機能の理解に迫ることができるという点が挙げられる。思考障害の研究は,主として心理学的な立場から行われてきたが,近年の認知科学の発展に伴い,思考障害についても認知科学的な研究が多く行われるようになってきた。すなわち,認知科学とは,認識機能を中心とした人間の精神機能についての認知心理学,神経生物学の立場からの総合的研究である。
本総説では,こうした認知科学的思考障害研究の到達点と今後の課題についてまとめようとするものである。
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