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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻1号

1998年01月発行

研究と報告

精神分裂病における精神症状に伴う自律神経機能の変化

著者: 十一元三1 神尾陽子1 村井俊哉1 久保田亮2 稲熊敏広2 扇谷明1

所属機関: 1京都大学医学部精神医学教室 2水口病院

ページ範囲:P.37 - P.42

文献概要

 【抄録】精神分裂病患者において,精神症状の変化に伴う自律神経機能の変化を調べた。対象は26名の入院患者で,服薬内容を変更しない状態で,1か月の間隔を挟んで2度にわたり自律神経機能を評価するとともに,陽性・陰性症状評価尺度を用いて精神症状を査定した。自律神経機能は,心拍変動に基づく評価法により交感・副交感神経機能を個別に調べた。11名の患者に精神症状の変化が認められ,この群において精神症状の変動に伴う自律神経機能を比較した。その結果,精神症状の改善時(あるいは増悪前)に比べると,改善前(あるいは増悪時)には副交感神経活動は低下し,交感神経活動は明らかな変化を示さなかった。精神分裂病における自律神経機能の変化には,精神症状が密接に関連していることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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