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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻1号

1998年01月発行

文献概要

研究と報告

摂食障害と恐慌性障害の合併について

著者: 切池信夫1 日高めぐみ1 井上幸紀1 松永寿人1 西浦竹彦1 中村芳昭1 山上栄1

所属機関: 1大阪市立大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.53 - P.58

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 【抄録】摂食障害91例中17例(19%)がDSM-IVの恐慌性障害を過去の一時期または調査時に合併した。これらの患者はこれを合併したことがない摂食障害60例に比し,罹病期間において有意に長かったが,年齢と発症年齢において差を認めなかった。そして診断において,anorexia nervosaの過食/浄化型やbulimia nervosaの浄化型が多い傾向を示した。さらに過食や嘔吐,自傷行為や自殺企図,万引き,アルコール乱用などの衝動行為や問題行動を有意に多く認めた。これらの結果から,摂食障害において恐慌性障害を高率に合併すること,これを合併している患者は過食や嘔吐,自傷行為や自殺企図,万引き,アルコール乱用などの衝動行為や問題行動をより多く示し,治療が困難で,経過が長く予後が悪いものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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