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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻10号

1998年10月発行

文献概要

研究と報告

保健所定期精神保健相談の分析—再来例の特徴と経過

著者: 太田敏男1

所属機関: 1埼玉医科大学神経精神科

ページ範囲:P.1077 - P.1085

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 【抄録】医師による定期精神保健相談例248例のうち,再来した53例(反復群)の特徴を1回のみで終了または中断した193例(1回群)と比較し,またその後の相談経過を検討した。反復群では家族のみの来所が多く,神経症・心因反応と老人性精神障害が少なく,人格障害が多かった。2度目の相談は初回のあと問を置かずに来る傾向があった。再来率(次回以降再来する割合)は反復群では約5割で,全体の初回相談のそれ(約2割)より高かった。受診行動段階の前進は反復群の約3割でみられた。精神分裂病では受診行動段階の前進が少なかった。以上の結果を踏まえ,保健所精神保健相談について考察を加えた。また,受診行動モデルの実地的有用性を論じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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