icon fsr

雑誌詳細

文献概要

研究と報告

客観的評価尺度による分裂病性思考障害の検討—Thought Disorder Index(TDI)とBrief Psychiatric Rating Scale(BPRS)を用いて

著者: 山崎尚人1 三輪真也2 松本和紀1 工藤亜子1 松岡洋夫1 佐藤光源1

所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室 2二本松会山形病院

ページ範囲:P.1087 - P.1094

 【抄録】精神分裂病の診断基準(ICD-10)を満たし精神症状が安定している21例の患者を対象として,思考障害をHolzmanらによるThought Disorder Index(TDI)で評価し,それとBrief Psychiatric Rating Scale(BPRS)との関連を検討した。その結果,TDI総得点はBPRS総得点およびBPRSの「思考障害」クラスター得点との間で有意な正の相関を認め,TDIが思考障害を選択的に評価可能であることが確認された。さらに,TDIを4因子に分けて検討したところ「特異的言語表現」因子のみが思考障害と高い相関を示し,これが分裂病性思考障害の特徴を反映するものであること,しかも病状の安定した時期に存在していたことから,分裂病の脆弱性と関連することが示唆された。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?