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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻10号

1998年10月発行

紹介

脳梗塞後遺症に対する選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)の効果

著者: 藤川徳美1

所属機関: 1国立療養所賀茂病院精神科

ページ範囲:P.1123 - P.1125

文献概要

■はじめに
 脳梗塞後には片麻痺などの神経症状,うつ状態・情動失禁などの精神症状が存在する。脳梗塞後遺症の治療としては(1)脳梗塞の進展予防,(2)現在の神経症状,精神症状に対する治療がある。脳梗塞の進展予防には高血圧などの危険因子の管理と抗血小板療法があり,その治療方法については詳細に検討され定式化されつつある。しかし,現在の神経症状,精神症状に対する治療には脳循環改善薬,脳代謝賦活薬,および抗精神病薬,抗うつ薬などの向精神薬が試みられてきたが,十分な治療効果が得られていない。
 一方,選択的セロトニン再取り込み阻害薬(selective serotonin reuptake inhibitor;SSRI)は欧米では10年以上前から導入されており,うつ病のみならず,強迫性障害,パニック障害,神経性大食症に有効とされているが,近年脳梗塞後遺症の諸症状に用い効果を認めた報告がみられるようになった。本稿では従来の抗うつ薬と比較しつつ,SSRIの脳梗塞後遺症に対する効果,安全性について述べる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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