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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻11号

1998年11月発行

文献概要

研究と報告

Psychiatric Munchausen's syndromeの2症例

著者: 西松能子12

所属機関: 1日本医科大学精神医学教室 2コーネルメディカルセンターニューヨーク病院

ページ範囲:P.1171 - P.1178

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 【抄録】欧米においては身体症状を自己産出するMunchausen's syndromeの報告とともに,精神症状を自己産出するPsychiatric Munchausen's syndromeが報告されているが,本邦においてはまだ報告をみないので,自験例2例を報告した。自験例はともに(1)生活史についての虚言があり,(2)精神科症状を中心に虚偽性症状を自己産出し,(3)自殺など劇的な症状を訴え,(4)自ら精神科治療を繰り返し求めた症例であり,欧米のいわゆるPsychiatric Munchausen's syndromeの特徴に合致し,DSM-ⅣのFactitious disorder with predominantly psychological signs and symptomsの診断基準を満たした。これら自験例2例の診断および治療について検討考察するとともに,本邦におけるMunchausen's syndromeの報告例における精神症状について検討した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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