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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻11号

1998年11月発行

文献概要

研究と報告

非ステロイド性消炎鎮痛剤の併用によるリチウム中毒で小脳障害を残遺した2例

著者: 渋谷克彦1 中谷英己2 児矢野繁1 春原善治1 桂城俊夫1 荻野裕1 長友秀樹1 岩淵潔1 小阪憲司3

所属機関: 1神奈川県総合リハビリテーションセンター精神神経科 2沼津中央病院 3横浜市立大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.1179 - P.1186

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 【抄録】リチウムと抗精神病薬を服用中の躁うつ病の患者に,非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAID)を併用したところ,リチウム中毒となり,悪性症候群の病像を呈した後,不可逆性の小脳性運動失調を残遺した2症例を報告した。リチウムは主に腎から排泄されるため,NSAIDは腎に影響を与えリチウムの血中濃度を上昇させると考えられる。後遺症としての小脳障害は,悪性症候群やリチウム中毒ばかりでなく,heat strokeでもみられるが,発熱のないリチウム中毒でもみられ,小脳障害の原因を特定することは困難である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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