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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻12号

1998年12月発行

文献概要

研究と報告

発症後約2か月半が経過し,なお高圧酸素療法が著効した一酸化炭素中毒の1例

著者: 根布昭彦1 池田学1 牧徳彦1 鉾石和彦1 小森憲治郎1 田辺敬貴1

所属機関: 1愛媛大学医学部神経精神医学講座

ページ範囲:P.1275 - P.1281

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 【抄録】発症後約2か月半が経過した一酸化炭素中毒の42歳の女性に,1クール10回の高圧酸素療法(HBO)を2クール試み,HBO開始前,HBO 1クール終了時,2クール終了時の計3回,詳細な神経心理学的検査,頭部MRI,SPECTを用いて臨床経過を検討した結果,自発性の低下,注意集中力の低下の著明な改善がみられ,その時期に対応してSPECTにおいて前頭葉,側頭葉内側の血流改善が認められた。急性期,亜急性期を過ぎた一酸化炭素中毒においてもHBOが効果を示し,詳細な神経心理学的検査は客観的な臨床症状の評価に有用であった。また治療効果,症状改善の指標として脳機能画像が有用であった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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