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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻2号

1998年02月発行

特集 精神病像を伴う躁うつ病および分裂感情障害の位置づけ—生物学的マーカーと診断・治療

臨床遺伝学からみた分裂感情障害

著者: 南光進一郎1

所属機関: 1帝京大学医学部精神科

ページ範囲:P.131 - P.134

文献概要

■臨床遺伝学の役割
 臨床遺伝学の役割の1つは,病因としての遺伝と環境の関与を検討することであるが,今1つの役割は疾病分類学に寄与することである。その疾病分類が混沌としている精神疾患においては,臨床遺伝学の方法はとりわけ有用であることが期待される。すなわちある病気(例えば躁うつ病)の罹患者の家系に別の病気(例えば分裂病)が一般集団での頻度より高く観察されるとき,これら2つの病気(躁うつ病と分裂病)は遺伝的に関連している(あるいは遺伝的にみて同一の)病気である可能性がある。一卵性双生児の一方が分裂病で,他方が躁うつ病という組み合わせが,偶然の頻度(200〜300組に1組)より高く観察されるとき,この2つの病気は遺伝学的に見て同一の病気である可能性がある。このようにして臨床遺伝学は,疾病分類学に寄与することができる。実際最近の操作的診断基準の改変は,臨床遺伝学の知識によって行われているところが大きい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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