icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻2号

1998年02月発行

文献概要

研究と報告

醜形恐怖症における強迫性の精神力動について

著者: 鍋田恭孝12 河本勝1 柏瀬宏隆1 一ノ渡尚道1

所属機関: 1防衛医科大学校精神科学講座 2現,大正大学人間学部

ページ範囲:P.183 - P.189

文献購入ページに移動
 【抄録】醜形恐怖症については,これまでに英米圏からも様々な報告がなされているが,我々が提唱する「中核群」における精神力動を検討した報告は少ない。今回我々は,代表的な症例を示し,醜形恐怖症患者に治療的にかかわる際の基礎となりうる視点を提示した。彼らには「見たくない実際の容姿が見えてしまう不安・恐怖」の打ち消しとしての強迫心性と,「見たい容姿が見いだせない」という裏切られた気持ちに由来する妄想的心性とが混在しているが,基本的な精神病理は強迫心性にある。治療者は,上記の苦悩に対して共感・支持を持ち続けながら,現実指向的・教育的なアプローチを個人療法とグループワークの双方で行っていく必要がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?