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雑誌詳細

文献概要

研究と報告

精神分裂病の症状群に対する罹病期間の影響

著者: 渡辺慶一郎1 堀彰1 武川吉和2 綱島浩一1 石原勇3 寺田倫4 宇野正威1

所属機関: 1国立精神・神経センター武蔵病院精神科 2小田原市立病院精神科 3埼玉県立精神保健総合センター 4静岡県立病院養心荘

ページ範囲:P.191 - P.196

 【抄録】入院中の精神分裂病(ICD-10)患者254例を対象に,Manchester scale日本語版で精神症状を評価した。罹病期間10年ごとに分類し,症状項目の因子分析を行い以下の結果を得た。(1)陽性症状(幻覚,妄想)と陰性症状(感情の平板化,精神運動減退,寡言・無言)は全罹病期間を通して同一の症状群を形成することはなかった。(2)滅裂思考は罹病期間10年未満の群では独立した症状群を形成していたが,罹病期間10年以上の群では陰性症状と共に同一の症状群を形成していた。(3)不安,抑うつと幻覚,妄想は罹病期間10年未満の群では同一の症状群を形成し,罹病期間20年以上の群では独立した症状群を形成していた。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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