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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻2号

1998年02月発行

文献概要

短報

多発性脳梗塞を伴うdiffuse neurofibrillary tangles with calcificationと思われる1臨床例

著者: 松永勉1 三間清明2 太田憲輔3 谷邦彦1 塚本利雄1 関根吉統1 伊豫雅臣1 森則夫1

所属機関: 1浜松医科大学精神神経科 2紘仁病院 3平和病院

ページ範囲:P.205 - P.207

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 近年,痴呆性疾患に対する関心が世界的な高まりをみせ,それに伴ってアルツハイマー型痴呆とは異なる新しい変性性痴呆疾患が報告されるようになった。その1つに,1994年に我が国のKosaka4)によって報告されたdiffuse neurofibrillary tangles with calcification(石灰沈着を伴うびまん性神経原線維変化病,以下DNTC)がある。DNTCは神経病理学的所見に基づいて提唱された疾患単位である。その特徴は前頭・側頭葉の限局性萎縮,Fahr病様の石灰沈着,びまん性で多数のneurofibrillary tangleを認めるが,老人斑やPick嗜銀球を認めないことにあるとされ,現在までに,我が国を中心として約20例の剖検例が報告されている6)。また,その特徴的な画像所見と臨床症状から臨床診断も可能とされているが,筆者らが調べえたところでは,現在までにわずかに3例の臨床報告があるにすぎない2,3,6)。DNTCが独立した疾患単位であることが確立されるためには,剖検例に加え,臨床例の蓄積が必要である。そこで本論文においてDNTCと思われる1臨床例を報告し,若干の考察を加えたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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