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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻3号

1998年03月発行

文献概要

研究と報告

非言語的フィードバックが精神分裂病患者の注意機能に与える効果—Continuous Performance Testにおける指標を用いた分析

著者: 石垣琢麿12 丹野義彦2

所属機関: 1東京大学総合文化研究科 2丹沢病院

ページ範囲:P.263 - P.269

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 【抄録】精神分裂病の注意障害を鋭敏に反映するといわれているContinuous Performance Testに非言語的フィードバックを加え,精神分裂病患者の認知と行動の変化を観察した。また,信号検出理論から導かれる弁別力の指標d'の変化と,陰性症状評価尺度(SANS)との関連について調べた。聴覚,視覚フィードバックは,Continuous Performance Testにおける正反応数とd'を有意に改善させた。時間フィードバックでは,かえって成績が悪化する傾向がみられたため,刺激提示の時間的不規則性に対する脆弱さが考えられた。また,聴覚フィードバック条件でのd'とSANSの非社交性得点に高い相関があり,注意障害が社会的活動に影響を与えていることが示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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