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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻3号

1998年03月発行

文献概要

研究と報告

キセノンCTによる精神分裂病患者の局所脳血流について

著者: 森和彦1 寺本勝哉1 長尾正嗣1 原田能之1 柏木紀代子1 入澤卓1 長尾邦雄1 藤川徳美2 横田則夫3 堀口淳3 山脇成人3

所属機関: 1医療法人緑風会長尾病院 2国立療養所賀茂病院精神科 3広島大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.271 - P.277

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 【抄録】精神分裂病患者101例(分裂病群)にキセノンCTを用い安静時の局所脳血流を測定し,健常者21例(正常対照群)と比較した。分裂病群は後頭部を除いて正常対照群より有意に大脳全般の脳血流が低下していた。両群とも加齢により脳血流は低下するが,その度合いは等しかった。また局所脳血流に影響を与えると思われる因子について重回帰分析を用い検討した。その結果,抗精神病薬の服用量は,左右の視床の血流と有意な回帰関係にあった。抗精神病薬の服用量と視床の血流との有意な負の相関から,抗精神病薬が視床を介し精神症状に効果的に作用する可能性が考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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