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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻3号

1998年03月発行

文献概要

研究と報告

Trazodone 150mg投与中に生じたセロトニン症候群の1症例

著者: 佐藤俊樹1 濱村貴史1 李陽明1 山田了士1 秋山一文1 黒田重利1

所属機関: 1岡山大学医学部神経精神医学教室

ページ範囲:P.289 - P.294

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 【抄録】71歳男性。肺気腫による在宅酸素療法中,うつ状態となり,trazodoneを300mgまで使用。肺炎による著しい低酸素状態のため6日間の向精神薬中止の後,trazodone 150mg,sulpiride 100mgを再開したが,せん妄,四肢のミオクローヌス,振戦,軽度筋固縮,微熱が出現,血液生化学検査は異常なし。セロトニン症候群と判断,trazodoneを中止しtiapride投与にて,早期に症状改善した。頭部CTで前頭葉,側頭葉に中等度の萎縮を認めた。本症例は,慢性の低酸素状態,脳萎縮という脳機能の脆弱性を基盤として,常用量のセロトニン作動薬単剤投与によってセロトニン症候群が起きたと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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