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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻3号

1998年03月発行

研究と報告

クモ膜嚢胞や巨大大槽を認めたパニック障害—4症例の報告

著者: 清田晃生1 穐吉條太郎1 山田久美子1 堤隆1 五十川浩一1 郭忠之2

所属機関: 1大分医科大学精神神経医学教室 2厚生連鶴見病院脳神経外科

ページ範囲:P.295 - P.301

文献概要

 【抄録】パニック障害でクモ膜嚢胞または巨大大槽を伴う各2症例を報告した。これは当科外来パニック患者87名の2.3%に相当した。脳ドック受診者との比較では,巨大大槽は脳ドック受診者より有意に多かった。当科外来の大うつ病,精神分裂病患者との間には有意差はなかった。
 クモ膜嚢胞の1例は側頭部に存在し辺縁系や脳幹部を圧排しており,このことが発症に関与している可能性があると考えられた。他の1例は後頭蓋窩に存在し,小脳の軽度圧排を認めた。巨大大槽の1例でも小脳の軽度圧排がみられ,解剖学的観点などから,小脳とパニック障害との関連の有無が今後の問題として考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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