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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻3号

1998年03月発行

文献概要

紹介

英国における触法患者に対する法律体系と病院ネットワーク—1症例を通じて

著者: 堀彰1

所属機関: 1国立精神・神経センター武蔵病院精神科

ページ範囲:P.315 - P.319

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■はじめに
 英国の精神保健法1983年(Mental Health Act 1983)1,4,7)の強制入院に関する民事的条項には,第2条(評価のための入院),第3条(治療のための入院)および第4条(緊急入院)がある。触法患者の強制入院に関する条項には,第35条(被告人の精神鑑定のための病院移送),第36条(被告人の治療のための病院移送),第37条(入院命令),第41条(制限命令),第47条(拘留中の受刑者の病院移送),第48条(拘留中の被告人等の病院移送)および第49条(制限命令)がある。一方,保安を要する患者のための医療施設としては,高度保安施設である特殊病院,中等度保安施設である地区保安病棟および軽度保安施設である一般精神病院の「集中治療病棟」がある2,3)
 本邦においては英国の精神保健法についての解説12)および保安病棟についての紹介8,10,11,13)がみられるが,触法患者らの処遇に対する精神保健法と保安施設の実際についての報告はみられない。筆者は1995/1996年の1年間,ロンドン大学の司法精神医学の大学院課程に留学した際に,実際の症例を観察する機会があった。そこで,どのようにして法律体系と病院ネットワークが有効に機能しているか,症例に基づいて紹介する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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