文献詳細
文献概要
シリーズ 日本各地の憑依現象
山陰地方の狐憑き
著者: 福間悦夫1
所属機関: 1国立療養所鳥取病院
ページ範囲:P.331 - P.334
文献購入ページに移動 古代山陰道は神々の歩いた道である。古事記によると,大国主命は出雲(島根県)から伯耆(鳥取県)を経て因幡(同)へとたどり,傷ついた兎を癒すことによって記録に残る我が国最初の医薬医療の施術者となった。“八雲立つ”と謳われる出雲はこうした神話のふるさとであり,素朴な信仰や伝承が生き続けるところであったが,やがてこの地を中心に我が国でも特異な社会病理が生じ地域を被うことともなった。人びとを不安に駆り立てた狐憑きもその1つである。
まず,昭和30年代後半から40年代初期(1960年代)にかけて山陰地方で私の遭遇した事例を挙げてみたい。
まず,昭和30年代後半から40年代初期(1960年代)にかけて山陰地方で私の遭遇した事例を挙げてみたい。
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