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文献概要

研究と報告

慢性分裂病患者の精神症状・生活障害と事象関連電位のP300成分

著者: 山科満1 岩波明2 岩崎晋也3 安西信雄1 風祭元1

所属機関: 1東京都立松沢病院 2昭和大学医学部精神医学教室 3東京都立大学人文学部社会福祉学科

ページ範囲:P.407 - P.413

 【抄録】東京都立松沢病院の社会復帰病棟に入院中の慢性分裂病患者26名を対象として,精神症状を陽性・陰性症状評価尺度(PANSS)で,生活障害を精神障害者社会生活評価尺度(LASMI)で評価し,これと事象関連電位のP300成分(P3aおよびP3b)との関連を検討した。陰性尺度とLASMIの「日常生活」「対人関係」「労働または課題の遂行」の3項目はいずれも正の相関を示した。P3b振幅と陰性尺度は有意な負の相関を示した。またP3b振幅は「労働または課題の遂行」とも有意な負の相関を示した。精神科リハビリテーションにおいては,機能障害と生活障害との関連が明らかにされることが期待されている。そのような観点から事象関連電位の意義を述べ,得られた結果について若干の考察を加えた。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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