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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻4号

1998年04月発行

文献概要

短報

リスペリドン服用中に自殺企図に及んだ2例

著者: 田村達辞1 岡本泰昌1 皆川英明1 松岡豊1 塚田勇治1 大森信忠1 岡本百合2 松田文雄3

所属機関: 1国立呉病院中国地方がんセンター精神科 2広島県立総合精神保健福祉センター 3松田病院

ページ範囲:P.427 - P.429

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 近年,精神分裂病の陽性・陰性両症状の改善が期待され,かつ,錐体外路症状を来しにくい新しい抗精神病薬としてリスペリドンが注目されている。本邦の臨床試験においても陰性症状への優れた効果が認められ,精神分裂病治療の第1選択薬にもなりうる薬剤と高い評価を受けているが,一方で,興奮・誇大性・敵意への悪化がみられ,鎮静効果が弱いことも指摘されている2,3)。今回我々はリスペリドン服用中に自殺企図に及んだ精神分裂病と分裂病型人格障害の2例を経験した。しかし,我々の知りえたかぎりでは,リスペリドンと自殺企図との関連性についての報告は見当たらず,興味深い症例と考えられたので報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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