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特集 アジアにおける最近の精神医学事情
国際的視点から見たアジアの精神医療と精神医学—現状と21世紀への展望
著者: 新福尚隆1
所属機関: 1神戸大学医学部医学研究国際交流センター
ページ範囲:P.464 - P.472
文献購入ページに移動■はじめに
筆者は,1981〜1994年まで,WHO(世界保健機構)西太平洋事務局(フィリピン,マニラ市)において,精神保健および薬物依存に関するプログラムの担当官として勤務した。その間13年間にわたり,中国,韓国,ベトナム,フィリピン,オセアニア諸国などでの精神保健サービスの展開を目の当たりにする機会に恵まれた。また1994年6月に,帰国後,神戸大学医学部国際交流センターの教官として,インドネシア,シンガポールなどを訪問し,それらの国々の精神医療施設を訪問するとともに,厚生省の研究班「日本と海外の精神医療状況の比較」に参加し,日本の精神医療についても若干の知識を得ることができた。
筆者がこうした経験を通じて得たアジアの精神医療や精神医学に関する情報や考え方を要約して紹介したい。もともと,膨大な内容を扱っており,舌足らずの点が多いが,ご容赦いただきたい。また,記述の少なからぬ部分は,個人的記憶に基づいている。細かな点で,記憶違いの箇所もあると思われる。後日間違いをご指摘いただければ幸甚である。
ここでは,日本から,周辺のアジアの国々を見るという立場でなく,できれば国際的視点から,日本も含めたアジアの国々の精神医療や精神医学の現状,問題点,これからのあり方を考えるという立場をとってみたいと思う。
筆者は,1981〜1994年まで,WHO(世界保健機構)西太平洋事務局(フィリピン,マニラ市)において,精神保健および薬物依存に関するプログラムの担当官として勤務した。その間13年間にわたり,中国,韓国,ベトナム,フィリピン,オセアニア諸国などでの精神保健サービスの展開を目の当たりにする機会に恵まれた。また1994年6月に,帰国後,神戸大学医学部国際交流センターの教官として,インドネシア,シンガポールなどを訪問し,それらの国々の精神医療施設を訪問するとともに,厚生省の研究班「日本と海外の精神医療状況の比較」に参加し,日本の精神医療についても若干の知識を得ることができた。
筆者がこうした経験を通じて得たアジアの精神医療や精神医学に関する情報や考え方を要約して紹介したい。もともと,膨大な内容を扱っており,舌足らずの点が多いが,ご容赦いただきたい。また,記述の少なからぬ部分は,個人的記憶に基づいている。細かな点で,記憶違いの箇所もあると思われる。後日間違いをご指摘いただければ幸甚である。
ここでは,日本から,周辺のアジアの国々を見るという立場でなく,できれば国際的視点から,日本も含めたアジアの国々の精神医療や精神医学の現状,問題点,これからのあり方を考えるという立場をとってみたいと思う。
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