文献詳細
文献概要
特集 アジアにおける最近の精神医学事情
アジアにおける最近の睡眠研究と医療事情
著者: 大川匡子1 内山真1
所属機関: 1国立精神・神経センター精神保健研究所
ページ範囲:P.473 - P.477
文献購入ページに移動このような状況の中で,アメリカでは次々と研究施設や睡眠障害専門外来が設けられ最近では国立睡眠研究所が設立された。次にヨーロッパでもこのような施設が開設されるようになり,睡眠研究と睡眠医学の重要性が社会的にも広く認知されるようになってきた。それは現代社会が睡眠を慢性的に犠牲にするような生活様式になった結果として,健康に対して様々な悪影響が生じたからである。このような状況は近代文明が発展した西欧先進国でみられ,やがて日本をはじめとするアジア諸国にも波及してきた。最近ではアジア地域にも睡眠障害が増加する傾向がみられ,それとともに睡眠についての研究報告が多くみられるようになってきた。1994年にはアジア睡眠学会が結成され,その第1回大会が日本睡眠学会の定期学術集会と合同して,東京で開催された。ここでは最近の我が国の睡眠研究の動向と,これまで2回開催されたアジア睡眠学会に参加した各国からの発表をもとに,アジアの各国の睡眠障害と研究動向を紹介する。
掲載誌情報