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研究と報告
セネストパチーの臨床類型についての1考察—症例を通して
著者: 高橋徹1 吉松和哉1
所属機関: 1信州大学医学部精神医学教室
ページ範囲:P.507 - P.516
文献購入ページに移動 【抄録】歯科治療を契機に口腔内の体感異常が出現し,その後全身に異物の異常侵入,移動感などを訴えた退行期セネストパチーの1例を最初に報告した。本例は,体感異常が軽減していく一方で心気的訴えの増加が認められ,経過をみていく中で,うつ病圏のセネストパチーであると考えられた。さらに青年期,老年期,壮年期のセネストパチー3症例を報告した。これまで狭義セネストパチーとされてきた症例の多くは,分裂病圏とうつ病圏の2つの異なる病態に分類することができることを論じ,本例と過去の文献,報告例を踏まえて,4群に分ける狭義セネストパチーの臨床的類型分類を提示した。さらにその妥当性,各群の症状や経過,治療上の注意点などを検討した。
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