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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻5号

1998年05月発行

研究と報告

女性有職者の飲酒行動—生物学的・心理的要因と飲酒量との関係

著者: 中村敏昭12 柿木昇治2 樋口進1

所属機関: 1国立療養所久里浜病院 2広島修道大学

ページ範囲:P.525 - P.530

文献概要

 【抄録】女性有職者を対象に,生物学的要因である2型アルデヒド脱水素酵素(ALDH2),心理的要因である抑うつ傾向,刺激希求性の各因子が飲酒行動,主として飲酒量に及ぼす影響について検討した。ロジスティック回帰分析結果によれば,女性の飲酒量の約1/3はALDH2の遺伝的多型により説明されうることが示され,抑うつ傾向,刺激希求傾向の影響はほとんどみられなかった。女性の飲酒行動においても,心理的要因よりもむしろALDH2のような生物学的要因が強い影響を持つことが示唆された。今後の研究でさらに,対象者数の増加,ALDH2遺伝子型の導入,他の心理的要因の評価などが必要であることを考察した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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