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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻5号

1998年05月発行

文献概要

研究と報告

非活性型アルデヒド脱水素酵素ALDH2*2を有するアルコール依存症の特徴—個々の臨床特徴とアルコール代謝酵素について

著者: 中村和彦13 岩橋和彦1 市川正浩2 三船和史3 洲脇寛1

所属機関: 1香川医科大学精神神経科 2三光病院 3三船病院

ページ範囲:P.531 - P.537

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 【抄録】DSM-III-Rでアルコール依存症と診断された53例を,ALDH2*1/ALDH2*1のアルコール依存症(1群)47例,ALDH2*1/ALDH2*2のアルコール依存症(II群,アルコール代謝が弱い)6例とに分け,両群の家族歴,既往歴,薬物・アルコール関連症状,合併症,社会障害,自己意識,SADDなどについて比較検討した。その結果,社会性障害は,飲酒運転での逮捕,有罪,別居,離婚がII群に多くみられ,臨床症状はパラノイアまたは幻覚,痴呆,離脱せん妄がII群に多くみられた。このようにALDH2*2というアルコールの過量飲酒に適さない遺伝素因を持つII群は特徴的な臨床像を呈し,subtypeとして区分できる可能性が示唆された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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