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三大学病院外来における強迫性障害患者実態調査

著者: 多賀千明12 宮岡等3 永田利彦4 西村伊三男2 金山秀彦2 中村道彦5 中嶋照夫6 松永寿人4 西浦竹彦4 切池信夫4 山上榮4 坂井俊之3 宍倉久里江3 太田有光3 上島国利3

所属機関: 1京都第二赤十字病院精神科 2京都府立医科大学精神科 3昭和大学医学部精神科 4大阪市立大学医学部精神科 5京都府立精神保健福祉総合センター 6仏教大学社会学部

ページ範囲:P.547 - P.553

■はじめに
 近年,強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder;OCD)の病因論として,基底核障害仮説やセロトニン機能障害仮説が提唱され脳器質論が再考されている11)。この1つの論拠として強迫症状に対する選択的セロトニン再取り込み阻害剤(Selective Serotonin Reuptake Inhibitor;SSRI)の有用性が示され,さらにそのSSRIによる治療が世界各国で注目を集めている。また一般人口におけるOCDの有病率は従来0.05%と考えられていたが,米国国立精神衛生研究所(NIMH)の行った調査によると6か月有病率は1.3〜2.0%,生涯有病率は1.9〜3.0%であり7,10),恐慌性障害や精神分裂病の有病率の約2倍であることが明らかにされている。このように,決して少なくないOCD患者の治療や予防について一層の研究を進める必要があるが,我が国においては有病率の報告や多数例を対象とした臨床研究は極めて少ない。今回我々は三施設におけるOCD外来患者を対象として調査を行い興味ある知見を得たので報告する。

掲載雑誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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