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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻5号

1998年05月発行

文献概要

資料

転換性障害の臨床的検討

著者: 大門一司1 野口俊文2 山田尚登2

所属機関: 1西山病院 2滋賀医科大学精神医学講座

ページ範囲:P.555 - P.557

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 ヒステリーは古代ギリシャ時代より存在しており,その概念は時代と共に変化してきた。DSM1,2)の影響により,ヒステリーは身体症状を呈するものを転換型,精神症状を呈するものを解離型として明確に類型化されている。
 前回我々は,滋賀医科大学附属病院精神科神経科外来を受診し,解離性障害と診断された症例の病歴を調査検討した4)。その結果,解離性障害の臨床的特徴として,
 (1)女性に多い
 (2)35歳までの発症数が全体の77%を占める
 (3)心理社会的ストレッサーでは,病気および経済的負担と職場関係の頻度が高い
 (4)77%の症例が発症してから1か月以内に治療機関を受診している
 (5)初診時は社会的,職業的,または学校の機能が中等度に障害されている
 (6)外来通院を継続し治療終結した症例が31%であるのに対して,初回,もしくは途中で外来通院を中断している症例が65%を占めるといった所見を認めた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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