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神経症の用語と概念をめぐって
著者: 山下格1
所属機関: 1北星学園大学社会福祉学部
ページ範囲:P.586 - P.597
文献購入ページに移動 神経症という言葉は,すでに一般社会用語になっている。しかしDSM-III(1980)やICD-10(1992)の制定以来,国際診断基準から神経症という正式な名称はなくなった。ただ日常診療においては,諸外国を含め,「神経症」はなお広く使用されている。一方,分子生物学をはじめとする諸科学の飛躍的発展によって,あらゆる疾患の概念自体が大きく変わりつつある。
この状況のもとで,神経症概念について語ることはきわめて難しい。依頼を受けた時は,神経症の生物学的研究の紹介を考えたが,操作的診断基準の使用に伴って神経症の扱いが多様化している状況から,神経症を全体としてとらえるには,操作的診断やそれを利用した疫学調査所見にも触れる必要があると感じた。
この状況のもとで,神経症概念について語ることはきわめて難しい。依頼を受けた時は,神経症の生物学的研究の紹介を考えたが,操作的診断基準の使用に伴って神経症の扱いが多様化している状況から,神経症を全体としてとらえるには,操作的診断やそれを利用した疫学調査所見にも触れる必要があると感じた。
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