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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻6号

1998年06月発行

文献概要

展望

神経症の用語と概念をめぐって

著者: 山下格1

所属機関: 1北星学園大学社会福祉学部

ページ範囲:P.586 - P.597

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 神経症という言葉は,すでに一般社会用語になっている。しかしDSM-III(1980)やICD-10(1992)の制定以来,国際診断基準から神経症という正式な名称はなくなった。ただ日常診療においては,諸外国を含め,「神経症」はなお広く使用されている。一方,分子生物学をはじめとする諸科学の飛躍的発展によって,あらゆる疾患の概念自体が大きく変わりつつある。
 この状況のもとで,神経症概念について語ることはきわめて難しい。依頼を受けた時は,神経症の生物学的研究の紹介を考えたが,操作的診断基準の使用に伴って神経症の扱いが多様化している状況から,神経症を全体としてとらえるには,操作的診断やそれを利用した疫学調査所見にも触れる必要があると感じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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