icon fsr

文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻6号

1998年06月発行

文献概要

研究と報告

パニック障害患者の対処行動—転帰の予測因子

著者: 山田久美子1 藤井薫1 穐吉條太郎1 永山治男1

所属機関: 1大分医科大学精神神経科

ページ範囲:P.607 - P.612

文献購入ページに移動
 【抄録】パニック障害(PD)の慢性化や転帰の予測因子を検討するため,対処様式質問票の4項目(援助希求,奇跡願望,否認・抑制,不快気分の発散)を用いた。対象:PD 27名(空間恐怖合併は24名)で,対処行動を調査し,その時点の転帰および2年後の転帰を得た。結果:パニック発作改善群は否認・抑制の対処行動が多く,これが2年後の良好な転帰の予測因子でもあった。空間恐怖改善群は不快気分の発散の対処行動が多かったが,2年後の良好な転帰の予測因子とは同定できなかった。結論:自己治癒的な対処行動を促進する治療技法として,パニック発作には否認や抑制を強化し,空間恐怖には不快気分の解消法を検討し身につけさせるという介入が重要と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?