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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻6号

1998年06月発行

文献概要

研究と報告

孤発性アルツハイマー型痴呆とpresenilin-1遺伝子イントロン多型の関連について—Apo E遺伝子型,アンチキモトリプシン遺伝子型との関連も含めて

著者: 柴田展人1 馬場元1 島田秀穂1 高橋正1 大塚恵美子2 植木彰2 新井平伊1

所属機関: 1順天堂大学医学部精神医学教室 2自治医科大学大宮医療センター脳神経科

ページ範囲:P.619 - P.622

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 【抄録】孤発性アルツハイマー型痴呆(ATD)群43例と対照群49例においてpresenilin-1(PS-1)遺伝子のexon 8の3′末端のイントロン多型をPCR-RFLP法により検討した。Wraggらにより孤発性ATD群で有意に高いと報告された1/1遺伝子型,1対立遺伝子の頻度とも,今回の対象となった孤発性ATD群では対照群より高いという結果は得られなかった。これはApo E遺伝子ε4の保有の有無やアンチキモトリプシン遺伝子型によってATD群を分類し検討しても同じ結果であった。これらの結果から,日本人の孤発性ATD群では1/1遺伝子型が必ずしも多いわけではないことが示唆されたが,多因子遺伝様式が想定される孤発性ATDでは遺伝子型を含めて様々な観点から発症に関する因子を明らかにすることが重要であると考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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