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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻6号

1998年06月発行

文献概要

短報

精神発作前後の血清prolactin濃度の推移—発作発射の側頭葉内側構造への関与

著者: 原純夫1 武井茂樹1 横山尚洋2 原常勝3

所属機関: 1慶應義塾大学医学部精神神経科学教室 2都立大塚病院 3駒木野病院

ページ範囲:P.645 - P.647

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 てんかん発作後の15〜20分後をピークとする一過性血清prolactin(PRL)濃度上昇は,扁桃核からの後発射がventral amygdalofugal pathwayを介して視床下部に拡延し,下垂体-漏斗系に影響する結果とされる11)。全般性強直間代発作では約90%,複雑部分発作では約70〜78%においてみられるのに対して,単純部分発作では約20%にとどまる4)。これはこの発作型に含まれる精神症状を主徴とする単純部分発作(精神発作)は患者の主観的体験に頼らざるをえず,発作を客観的に捕捉することが困難なことと関係している。我々は,精神性発作については外来あるいは入院中の患者からその到来の申告を得た時点から,複雑部分発作については直接観察しえたものが終了した時点から各々,発作後血清PRL濃度を経時的に測定し,両発作における値の推移を比較した。その目的は,精神発作における発作発射の側頭葉内側構造への関与の有無を非侵襲的に検討することにある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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