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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻7号

1998年07月発行

文献概要

研究と報告

インターフェロンとメソトレキセートの併用時に意識混濁(嗜眠)を呈した急性骨髄性白血病の1例

著者: 佐々木信幸1 深津亮1 古瀬勉2 信岡純3 幸田久平4 高畑直彦5

所属機関: 1札幌医科大学神経精神医学教室 2旭川赤十字病院精神神経科 3札幌中央病院内科 4旭川赤十字病院内科 5北海学園大学法学部

ページ範囲:P.723 - P.728

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 【抄録】急性骨髄性白血病のインターフェロン(IFN)療法中にメソトレキセート(MTX)の髄注を併用した際,意識混濁(嗜眠)が出現した1例を報告した。白血病細胞の髄膜浸潤に対しIFNα-2b,3MU連日投与を行ったところ,IFN投与17日目から希死念慮と不安感が出現した。MTX 15mg髄注の追加により,全身の脱力と左顔面神経麻痺が出現し,IFN投与23日目に嗜眠状態となった。IFN中止後数日で症状は改善した。意識混濁出現時の髄液蛋白が軽度高値を示していたことから,血液脳関門の破綻が疑われ,そうした背景をもとにそれぞれが神経毒性を有するIFNとMTXの相互作用により精神神経症状が出現したと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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