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文献詳細

雑誌文献

精神医学40巻7号

1998年07月発行

研究と報告

精神分裂病に特異的な主観的精神症状について—Bonn大学基底症状評価尺度(BSABS)による検討

著者: 刑部和仁1 宮腰哲生1 山崎尚人1 三輪真也1 酒井広隆1 松本和紀1 松岡洋夫1 佐藤光源1

所属機関: 1東北大学医学部精神医学教室

ページ範囲:P.729 - P.735

文献概要

 【抄録】精神分裂病に疾患特異的な精神症状を明確にするため,Bonn大学基底症状評価尺度(BSABS)のカテゴリーC,Dを用いて,精神分裂病群と他疾患群との比較検討を行った。対象は精神分裂病群40例,躁うつ病群20例,神経症群20例,健常対照群20例であり,診断基準はICD-10に基づいた。結果はカテゴリー平均該当頻度において精神分裂病群はC3. 行動(運動)の認知障害における躁うつ病群との比較を除き,高値を示した。各下位カテゴリーごとにみるとC1. 思考の認知障害の8項目,C2. 知覚の認知障害の3項目において精神分裂病群は高値を示したが,これらの項目は要素心理学的に大別すると思考,言語,記憶,注意の障害に起因するものと考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-126X

印刷版ISSN:0488-1281

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